5月はニューヨークでNYCxDESIGNと呼ばれるデザインウィークが開催されていました。展示会、イベントやパーティが目白押しでした。 ICFFとRedBull Music Festival とInterMixのPOPUPプロジェクトが同時進行していました。(それぞれの舞台裏の様子は別の日記にて)お陰様で私たちも大忙し💦パートナーって本当に大切だと実感した月でした😍 NYCxDESIGNとは...!? New York City Economic Development が運営してる、スポンサープログラムです。 New York Cityのデザイン文化の発展を目指し、経済効果をあげる為に各イベントの繋ぎ役なっています。 具体的には、NYC中に$800,000相当の広告を掲げたり、インテリア雑誌への掲載、アワードを開催、ソーシャルメディアなどのデジタルマーケティングを行っています。2018年は347,000人(うち海外から9,900人)が訪れました。 以下の2つが主なイベントです。 ICFF WANTEDDESIGN この他にもdesin milkが主催のイベントや、通常は12月のリテール向けのオープンショールーム、Market Weekも開催されていたので、見所満載、出会いもたくさんあって刺激的でした。
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design:retail マガジンが主催する授賞式イベントHONORSに行ってきました。 このイベントは2つのアワードから構成されています。 Markopoulos Award ヴィジュアルデザインに関する全ての分野に影響を与え、功績を残した人物に与えられる。受賞者は毎年1名過去の受賞者によって選出される。今年はFITで講師を務めるAnne Kong。現在Bergdolf Goodmanのwomen's fashion とストアプレゼンテーションのディレクターであるLinda Fargoも2001年に受賞している。 40 Under 40 リテールでヴィジュアルデザインに関する全てのプロデュースとデザインの分野で活躍した40歳以下の人物40人に送られる賞。 会場はグランドセントラル前のGrand Hyatt Hotel。授賞式前後ではカクテルパーティが開かれ、受賞者、スポンサー、関係者の交流が楽しめました。 ここで衝撃的な出会いが...!!! IMAX3Dのネイチャードキュメンタリー"Baikal: The Blue Pearl of Siberia"のプロデューサーを務めるJohn Corso氏。数多くのTVシリーズのプロデューサーを務め、日本でも有名なものだと映画グレムリン2やゴーストバスターズなどでクレジットされています。貴重なキャリアアドバイスを頂いた上、コーヒーのお誘いも頂きました。 他にも、スポンサーを務めるファイナンシャルプランナーの方からオフィスへのお招きや、高級不動産を扱うDouglas Ellimansのブローカーの方に業界向けパーティへのお誘いも頂きました。(オープンハウス向けのインテリアスタイリストを探しているとのことで...嬉しいです😍。) ラグジュアリーインテリアイベント、ICFFのレポートです。 ここ近年、NYのデコレーションの傾向は、写真よりもグラフィティスタイルのペイントやらネオンやらカスタムスカルプチャーを入れて、ストリートアート感を取り入れています。特に新しいホテルのロビーやバーなんかでははっきりとそのトレンドがインテリアに反映されています。 今年も世界中からアイデアいっぱいの面白いデザインがたくさん集まりました! 私たちもちゃんと働いていますよー😆 どんなにシンプルな設営でも、毎回何かが起こるのがアメリカ。 初日に壁がたってないことぐらいザラですね〜。 ここだけの話...
ICFFでは製品やブースのデザインアワードがあります。審査員は会場入りして、たったの2時間で各カテゴリーの審査をします。人によっては結構チャラく、個人的な好き嫌いで決めちゃうそうな....😓 通常は12月1週目に開催されるMarket Week。(日本では"コレクティブ"と呼ばれていることが多いです。) 今年はデザインウィークに合わせてリテール向けの各ショールームがイベントを行いました。主にマネキン、内装用資材、装飾用アート、什器、商用向けの家具を取り扱っています。Visual merchandiser、店舗設計関係者、建築&インテリアデザイナーが集まります。 ショールームリストとマップはこちら。 Manex Showroomのパーティの様子。HONORSイベントのアフターパーティ会場です。👇🏼 WANTEDDESIGNはフランス系オーナーのデザインセレクトショップです。(MoMa Design Storeのようなイメージ) ブルックリンのSunset Park地区にあるIndustry Cityが拠点で、NYCxDesignのスポンサーの下で、展示会とホリデーマーケットを開催しています。デザインウィーク中はマンハッタンとブルックリンの二箇所で行われます。 WANTEDDESIGNの特徴は、ICFFやAD Design Showに比べて会場内での競争が少ないので、潤沢な資金を持ち合わせない個人のデザイナーや製品のラインナップが少ないブランドも参加できることです。小規模の展示会としては機能的でデザイン性の高いものが多く、高品質のハンドメイドも出展しています。プレスが強くマンハッタンの会場はJavits Centerからも徒歩圏内で行きやすいのがポイントです。 ブルックリンのIndustry City会場ではデザインスクールの学生のプロジェクトが展示されていたので、卒展みたいでした😀 特に完成度の高かったのは、リサイクル資材を使用した下の2つの作品。 Industry Cityてどんなとこ? 1890年代にIrving T. Bush氏によって建てられ、輸送船や車の製造工場、倉庫、ディストリビューションまでここの敷地内で行われていました。最大で1日25,000人がここで労働していました。 2013年からBelvedere Capital と Jamestownがオーナー件を獲得し、新規開発へと乗り出しました。これまでに2000以上の雇用を作り出し、現在もアーティストやものづくりに関わる人たちが集まるコミュニティーとして発展しています。ABCカーペットやハーマンミラー社のアウトレットもあります。2017年にはMichel Gold + Bob Williams Homeのショールームがオープンするなど、インテリアを中心としたデザインのメッカとして注目されています。 素敵なCoworking スペースもあります。バーが併設されている上、1時間から借りれるので、オフィスワークで引きこもり気味な時は、ここに来るのも良さそうです😙 NOMO SOHO Hotel(SOHO Hotelではありません🤓)はディナーや週末のブランチに訪れるのにぴったりなアーティスティックなホテルです。 ここのペントハウスで、INTERMIXのファッションポップアップ、#SummerUnfilteredが開催されました。 イベントでは60人のインスタグラマーがそれぞれのおすすめ商品をキュレーションしています。 👇🏼INTERMIX ONLINEのアカウントでこんな風にプロモーションされています。 私たちはプロップ制作で参加。 何故かデザインした友人宅バックヤードでの作業...😑 昼間は屋根なしの炎天下、夕方から雨、翌日はトラックの中で作業という類稀なるコンディションの中で、こんな感じ😅でやりきったった。 これもいつかの夏の思い出になると思えばお安いご用ですね✌️
アメリカでは、業者もクライアントも関係はwin-winなのは良く知られていること。フリーランスも業務委託も同じです。 例えば、こんな場面はもう日常茶飯事です👇🏼 現場やon setの仕事になるとランチが出ないと、きっちり請求が来ます。 一日につき、4時間以上は雇わない、もしくはそれと同額を支払わないと違法になります。 納税用ペーパーワークの種類が違うと、サインしてくれません。 業務が週40時間を越えると、必ず誰かしらオーバータイムの請求をします。そして強制できません。(無視すると監査が入りとんでもない賠償金を支払わされる) 危ない仕事は断わられる権利があります。(保険も保障も無いから) 深夜を越えるとタクシー代の支給は当たり前です。 根性論や恩返しで仕事はしないのがアメリカです。これがWin-Winであり、お互いをリスペクトする良い環境づくりに役立っています。 ...とはいえ、エコひいきはもちろんあります。そんな時は必ず「It's not fair!!!」が聞こえて来ますが😅 簡単に言うと、人件費が高いからです。 ...と言うとつまんないので、具体的な金額を検証してみましょう! マンハッタンの1K(Studioと呼ばれる)の家賃は安くても$1,800〜というの知っていますか? Conde Nast(出版社)の新入のアシスタントライターの日当は$400です。 2018年のニューヨーク市の最低賃金は$15.00 (従業員が10人以下の場合は$13.50)。 これを見ると時給$20-$25の人でさえ、経験値があまり高くないアシスタントレベルだと言うことが解ります。 では具体例として、シンプルな5面体の白い展示台を作ってもらうとしましょう。 それにかかるコストの内訳は... 1. 材料費(輸送代混み)...$120 2. 場所代...$50/day 3. 梱包材...$50 4. デリバリー費...$80 5. 塗装材料費...$60 6. 人件費 $40/hour (12時間、買い物&梱包時間含む)...$480 合計 $840.00(消費税混み8.875%) 普通に考えると無いわあ...ですよね。 でもこれが現状なんです。簡単な什器を一人で全部作れる人(クオリティは別として)の時給は最低でも$40、通常$45〜$60が発生します。それには技術料の他に、電動工具や道具をメンテナンスする料金や時間も含まれます。それに自営業の場合は32%が税金 として納めないといけないのでそれを考えると決してボってる金額ではありません。さらに途中でプランが変更した場合などは、もちろんその分の時間と材料費が上乗せになります。 舞台、映画やTVの撮影、展示会会場はUnion(ユニオン)と呼ばれる労働組合の労働者を雇います。 以下はそれぞれの組合員1人の平均的なレートです。(ポジションによって変動します) Javits Center (NYの展示会のメッカ) $175/hour メトロポリタンオペラ $80/hour 7時間以上の労働で$160/hour TV, 映画のアートディレクター $1,000/day 広告関係の撮影のアーティスト(カメラマン、ヘア、メイク、スタイリスト、セット等) $2,000〜/day(エージェント属)$500〜/day(非エージェント) Non-Unionや非エージェントのフリーランスの技術者やアーティスト職で、経験5年以上の人の時給は$30〜$50が基本です。フリーランスの場合は、経験値によって自分の価格は自分で決めれるので内容や拘束時間によっては、正当な金額を交渉されます。彼らの時間と知識と技術を買うという感じです。 リアルな話ですが、日本の個人や企業さんが、NYレートの下調べ無しで見積もりなどを依頼すると、まずはだいたい金額の高さに驚かれます。
「昔のよしみなんだし、安くできるでしょ〜」と言われて安請け合いするとさあ大変。 こういう場合に頼りになるのは友人やずっと付き合いのある方たち。その彼らにもディスカウントせざる得なくなり、信用を失ってしまい、将来協力をしてもらえなくなったりと、必ず自分に返って来ます。 NYでは一人一人の意識レベルの違いから、信頼できる関係を作るのは時間と経験の積み重ねなので、これだとリスクが大き過ぎます。 他にはアフターフォローの仲介が出て来たり、ついでにあれもこれもと膨らんでいったりする事です。ものを作って売るだけならともかく、サービス業務でしかも紹介した相手だともうエンドレス... そんなことで過去の経験から学んだ事を書いてみました。今はバッサリと自分の基準に沿って案件を受けるようにしています。 えっ! と思われるかもしれませんが、実際に私がいたスタジオにそんな人がいました。 彼女はスカルプティング部門のフリーランス。当時は5人の部署でした。私は別のチームにいたのですが、噂は度々耳にしていました。私のパートナーが彼女と同じチームにいて、あまりにも彼女の行いが調和を乱すものだったので、一人でチェーンソー(=集中しなきゃいけない & 単純に腕を左右に動かすだけ)を持ってもらい、一心不乱に作業をしてもらわざるを得なくなりました。 彼女、結局クビになりシーズンの途中で抜けました。 そのずっと後でのパーティでのこと。誰がが彼女のレートの話をしていたのを聞いて、みんなでアゴが外れる羽目に。 ささ..さ..30ドルうううう〜〜〜〜😱 会社に3年以上いる正社員アーティストよりも高い時給だったのです。周りのみんなの評判は、多分アシスタントを1.5回くらいやっただけじゃ無いんか、ってくらい経験の無さを指摘してたから、これはショックでした。 ではどうやってこんな高給で、彼女はスタートできたのでしょう。 面接のプレゼンが抜群にうまかったのです。その時の面接官もアーティストでは無いため「NYのトップアートスクールを出ている、他の有名なアーティストの仕事をした」とか聞いて、ホイホイ乗せられちゃってたみたい...(見抜いてよ) しかもアシスタントみたいな作業はしない、自分がリードするみたいなことまで言い出して、指示されていないものを勝手に作り始めたり(それをクライアントが見て精度の低さに実のリーダーが怒られる)事が頻発していました。 実はこういう事が起こるの、ここだけの話じゃ無いんです😳 アメリカでは面接時に「これくらい経験がある!」って話をマンガ盛りくらい盛り上げます。雇われたいだけで無く、それで最初のお給料が決まるからです。 そしてすぐバレて問題になってクビになる... (一緒に仕事してみて、やたら文句言ったり、言う事を聞かない人ほどこういう傾向があるようです。) でもこれでOKみたいです😵 良く考えてみたら、次の面接でもし前のお給料聞かれた時には、それがベースになるので同じ額か、もっともらえる可能性があります。その上、少しづつでも経験として積んでいけますからね。 こうして先ほどの彼女も時給は$30からという自分のベースを作ってしまいました。 |
中尾ユウコ青木チサトヴィジュアルデザイン/コンサルタント
2000年にオープンした3300坪の大型ライフスタイル提案型アパレルの立ち上げVMDメンバーとして出会う。その店舗専用のVMDマニュアル&システムを築きあげ、ヴィジュアル漬けの日々がスタート。 以降、究極のVMDを目指すべくそれぞれ修行の道へと撃進する。 2009年Yukoはニューヨークへ活動の場を移す。世界最古&最大の売り場面積を誇る、クリスマスで有名な百貨店のウィンドウチームに配属。作ったウィンドウ数知れず。(本当に数えれない...) 2010年Chisaは東京でスウェーデン発世界一の店舗数&売り上げを誇るあのアパレルでVMDとしてトレーナー、フラッグシップ店統括に就任。育てたスタッフと立ち上げたプラン数知れず。(計測不可能の域に達した) 数年後二人ともあっさり離職。同じところに居続けれないタイプ。 現在もVMDの領域を超えて、NYCと東京でクリエイティブなフリーランス生活を謳歌している。 Archive
7 月 2018
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